4/22 くもり
恋人が離島へ飛びたった。わたしは余ったキャベツとキュウリを持って実家に帰る。
4/23 雨
ずっと気持ちが沈んでいた。明日、家に帰ろうと思う。
4/24 くもり
三番街でティーポットを買った。
ちょうどよい電車がいなかったので、湖西線に乗り、京都で乗り換えることにした。ボックスシートに座る。富士日記を読む。高槻を過ぎたころ、ご婦人が青年に「この電車は大津に停まるのかしら」と尋ねた。青年は「停まると思いますけど……」と言った。停まらないけど……と勝手に心配していたら、青年が「調べてみます」と言い、ひと安心。ご婦人も京都で乗り換えた。
家に帰って、掛川茶を淹れる。すこしうすかった。今日からひとり暮らしがはじまる。
4/25 快晴
洗濯物を干している間に、パンを卵液にひたす。心地よい日差し。ほどよい甘さ。履歴書を書く。一発で書く。これは特技の一つ。うまくいくといいな、うまくいかなくてもちがう道を考えているから、わたしは安心してほしい。穏やかに暮らすこと、これがいまのわたしの目標です。
翌8:00
単発で夜勤のバイトをした。いま朝マックを食べているところ。レジの近くの席に座ったら、店員さんの「つかれたっ」というひとりごとが聞こえた。わたしもつかれたっ。アップルパイをうまく食べられない。具がけっこうこぼれた。
4/26 くもり
駅に近づくにつれ、スーツのひとが増える。金曜の夜だ。
夜勤のバイト、二日目(2/2)。一回目の休憩を終えたころ、眠気と疲れで倒れるかと思った。限界に近かった。しばらくして、休憩で飲んだレッドブルが効いたのか、難なく動けるようになった。こんなに効果があるなんて。かつての上司はレッドブルを一日に三本飲むひとだった(レッドブルを飲みながら煙草を吸うひとだった)。
翌8:00
京都駅でパン屋さんに寄る。新商品はレモンのパンだと掲示されていて、それにしようと思って店に入ったけれど、はやいからまだ並んでいなかった。人気ナンバーワンの「カリカリなメロンパン」を選んだ。へちゃんこなのがかわいい(食べたら見た目のわりに重くてよかった)。会計に並んでいたら順番を抜かされた。店員さんと目が合う。お互いに「あ」となった。店は狭いし、抜かしたひとは気づいていないようだった。仕方がない。わたしも気づかないところで誰かに「あ」とさせているかもしれない。
4/27 くもり
ゆでたまごがうまくいった。ゆでたまごは半熟がすき、目玉焼きは完熟がすき。
電子レンジが使い物にならない。動くけれど、温まらない。おまけに変な音がする。ひとりだからいっぺんに米を炊いて、冷凍しているのにこれではごはんも食べられない。相談してあたらしいものを買った。
夜、他人とじぶんを比べて、かなしくなって泣いた。
4/28 快晴
買いものに出る。ひじきの煮物を作るために、にんじんや油揚げを買ったのに、肝心のひじきを買い忘れた。昼ごはんを食べたあと、別のスーパーへ。駅までの道にいくつか出店があった。堤防のほうに人がたくさんいたので、そこが祭りの中心なのだろう。あたたかい昼間の祭りは、地元の水辺まつりを彷彿とさせる。九月の祭りだった。店をひと通り見たあと、川に足を入れて涼んでいた。
ひじきを水に入れて戻した。ちょっとこわい。黒いものはこわい。