4/29 くもりのち雨

朝、みのりんのラジオを聴いた。仕事でお世話になったひとが亡くなった、そのひとの最期の曲というプレイリストにじぶんの曲が入っていたと聞いた、と話された。その曲を再生してぽろぽろ泣いてしまった。父のことを思いだしたのだ。

 

"出会いはわたしに勇気をくれたの

別れる時 何を返せただろう"

(everlasting /茅原実里)

 

たしかにかなしいけれど、ひとしきり泣いたあと、いつも清々しい気持ちになる。

 

京都へ出かける。タッパーを買った。服も買った。八条口のセカストではいつもいい出会いがある。ポルタで真っ赤なワンピースを見た。とてもかわいいと思った。あのワンピースがある夏はすてきだと思った。買えない値段ではなかったが、買ってしまえば、どこかで我慢が生じる。はやく働かないといけない。

 

4/30 雨

じゃがいもを茹でながら日記をつける

 

起きたら2時だった。汚れた皿、保温したままのごはん、ぎとぎとの顔。すべてをほったらかして眠っていた。そうだった。吐くためにポテトチップスを食べて、吐いて、わけのわからない電話をかけて、眠ったのだった。近ごろ、原因のわからない不安〈強〉がやってくる。波が寄せるような心地がする。

 

単発のバイトへ。電車でほんとうに眠ってしまう。地震の夢を見て、ハッと目覚めたら、電車の揺れであった。2時から一睡もしなかったのだ。

労働の末、OPPテープをうまく剥がせるようになった。

 

5/1 雨

合羽を着てスーパーへ。おつとめ品のじゃがいもを買うか悩んでいたら、けたたましい音が鳴る。ふおおおん、ふおおおん、火事です、火事です。みんなびっくりしながらも、買いものをつづける。レジは進む。店のなかにいるひとよりも、店の外にいるひとのほうが不安そうだった。店を出たころ、誤作動だったとアナウンスがあった。

ポテトサラダを作る。タッパーを手に入れたことがうれしくて、こういうものを作ってしまう。ひとりだから作りすぎないように。

 

単発のバイトへ。

行きしの電車に外国人が乗っていた。そのうちの一人がとても低く、きれいな声で話すので、ほれぼれしてしまった。何を話しているのかはさっぱりわからなかったが(そもそも英語だったのか)、MaikoやAkashiと言っていたので、そちらのほうへ行くのだろうか。わたしは京都で降りる。

4時間ずっと洗い物をしていたので、念入りにハンドクリームを塗って眠った。

 

5/2 晴れ

18:30 車内に差しこむ夕日のひかりがきれいだった。

 

5/3 晴れ

寝癖が控えめであった。いつもおだんごにまとめるところを、今日はまっすぐに下ろしてみる。風で髪が靡く。前髪がふあっと上がる。店の窓ガラスに映るじぶんのシルエットがなんだかいいと思った。

 

5/4 晴れ、あつい

バイトの面接に行く。店長が高圧的なひとでここでは働きたくないと思った。このひとと働いたら、きっと穏やかではいられなくなる。店を出てすぐに別の気になっていた求人に応募した。日差しが強かった。

 

ホームセンターで花を買う。楽天ポイントが5倍になるクーポンをもらった。おばちゃんは「お得やからね」「31日までね」と気さくに話してくれた。花の名前を聞くと「あたしらは西洋アザミって言うねん。名前なんやったかなあ。(!)そう、ベニバナ」と教えてもらった。雅名は末摘花らしい。つぼみがタマネギのような形をしていて、タマネギの上に花を咲かせているのがおもしろくて、選んだ。葉が多くて、キッチンの壁に映る影もきれいだ。明日は父の月命日。

 

うずらの卵を鶏のひき肉で包んでスコッチエッグにした。料理をしているとき、かなしみから解放される。ごはんを食べたら、またかなしくなったので、はやめに寝た。

 

5/5 快晴

単発のバイトへ。4:30に頭の真下でアラームが鳴って驚いた。iPhoneを踏んでいた。今日はイベントのスタッフ。屋外のイベントだった。同じスタッフが塩分チャージをくれて助かった。たくさんのひとと話して生き返った心地がする。話すことが苦手なのに、接客の仕事がすきだ。

すべての撤去が終わり、何人か手持ち無沙汰になった。リーダーが「みんなはチーム・ラッキーです」と言った。帰りの電車に60分以上の遅れが出ていたけれど、ホームに着いたらちょうど電車が来て、チーム・ラッキーやからな、と思った。

 

家に帰ると、ベニバナの花が出ていた。つぼみが開いた、というよりは、つぼみのような部分から花が顔を出したような感じ。家に帰って、花が咲いたり、豆苗が伸びていたりすると、とてもうれしくなる。きれいねえ。思わず話しかけてしまった。

 

illustration

らくがき

 

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