5/6 くもり
じぶんの文章に自信が持てない。ひとりぼっちの戦い。
5/7 くもり
外で不安におそわれた。暗い顔になった。鏡を見なくてもわかる。スーパーAで必要なものを見る。ひき肉を取ったとき、チラシで見たスーパーBのもののほうが安いことに気づく。スーパーBの価格帯は高めだが、こういうこともあるのだ。そのあとスーパーBへ行き、ひき肉を買った。お得に買いものができて、不安ではなくなった。わたしは単純。
5/8 くもり
久しぶりに外食した。メインの料理(パスタやグラタン)を注文すると、パン食べ放題とドリンク・スープ・サラダバーがついてきた。近ごろ、腹いっぱい食べる、ということがなかったから、こころが躍った。パンは店員さんが「いかがですか」と席にもってきて、選ばせてくれる。新しいパンができあがれば、次々にやってくるから、〈いまは大丈夫です〉の札を出して、パンをお休みする必要がある。札をあげればほんとうに来ないし、札をさげればほんとうにどしどし来る。いいシステムだと思う。
5/9 晴れ
長岡天満宮へ。長岡京駅から歩いて15分ほどのところにある。肌寒い日であった。さむいさむいと思いながら歩いた。大鳥居がわたしたちを迎える。ツツジを目当てに足を運んだが、盛りは過ぎ、低木には枯れた花がついていた(帰りに貼紙を見て、見ごろはとうに過ぎていることを知った)。矢印のとおりに本殿へ行き、お詣りする。揺らしてもあまり音が鳴らない鐘だった。おみくじを引く。行く先々でおみくじを引くものだから、じぶんの運を示してもらうものというより、土産物というのかコレクションの要素がある。末吉であった。紙の質がよい。
池のまわりを歩く。池には鯉や亀がいた。釣り禁止の貼紙があった。池のまわりを歩いている鳩はぶくぶくと太っていた。餌やり禁止の貼紙もあった。桟橋の縁に鳩がいた。わたしはそのことに気づかず歩いていた。突然音を立てて目の前を飛ぶものだから、驚いてしまった。しばらく心臓がばくばくしていた。
池の東側の一本道を気に入った。道に沿って木が並び、どこまでも緑がつづく。帰ってから調べたら、その木々はさくらであった。きっと春はすごいのだろう。
一本道が終わり、境内を出る。向かいの道に立派な坂があった。立派と言っても、長いものではなく、小さく短いもので、自転車でくだればたいそう心地よいだろうと思ったのだ。
5/10 晴れ
からだがだるくて重い。原因はわかっている。四、五日、薬を飲まなかったからだ。離脱症状というやつである。yogiboもどきにからだを沈める。そこから起き上がれない。あたたかく、晴れ。ぜひとも洗濯をして、買いものに行きたかった。それはおろか、今日が回収日であるダンボールを出すこともできなかった。朝食をとり、眠った。
昼。食欲はある。調理せずに食べられるものはない。冷凍ごはんさえない。いちばん手間のかからないものは、うどんかパスタだった。茹でる気力さえない。宅配サービスを利用しようか。〈高い〉と思ってやめた。そのあと気づいたら眠っていた。
起きたら18時を過ぎていた。家からいちばん近いスーパーへ。巻き寿司を食べたい。冷たいごはんが食べたかった。ネギトロ巻きは398円だった。がんばって節約しているのに、一食400円とは何事だ、と惣菜コーナーを去ろうとした。からだの中心がめらめらと燃えているような心地がする。倒れそうだ。これ以上考えたり歩いたりすることは不可能だ、と仕方なくネギトロ巻きを買った。ネギトロ巻きを食べて眠った。
5/11 晴れ
からだが回復しているのがわかる。洗濯をまわし、たまっていた食器を洗う。花の水を替える。茎の先を切り、しおれている葉をむしる。コーヒーも淹れる。できなかったことをぜんぶやる。
5/12 くもりのち雨
午前のうちに買いものへ。風が強い。帽子を脱いでかばんにしまう。日曜の昼だからか、スーパーは混んでいた。食品をカゴに入れるのは難なくできる。レジに並んだ。レジは二列。お菓子レーンと日用品レーンに列をなした。わたしは日用品レーンに並んだ。人々はじぶんのそばにある商品を取り、おもて、うら、おもて、と見て、気に入ればカゴに入れ、そうでなければ元に戻す。そうやって時間を潰した。わたしも同じようにする。「油吸わせ隊」という綿があった。10個入り、99円。揚げもののあと、冷めた油を綿に吸わせて捨てる。綿ひとつで約110mlの油を吸うらしい。「油固め隊」という凝固タイプの兄弟もいた。99円だし、試しに買ってみることにした。スーパーを出たら雨が降りだした。帽子を被って雨を凌いだ。