7/8(月)晴れ
夜、自転車でスーパーへ。モリヤマメロンの酎ハイを買った。ジュースみたいでするすると飲んでしまう。飲んだあと、アルコール度数が五度であることを知る。弱いのですぐに酔って、Yogiboもどきで寝落ち。起きたら酒を飲んでいない恋人も寝落ちていた。
7/9(火)くもり、夕立
ファンをやめることにした。
そのひとにお金を使うことがたのしいことではなくなった。そのひとのことはいまも変わらずすきだ。しかし、そのひとのまわりのひと(スタッフや運営)のいまのやり方がすきではない。わたし自身もライフスタイルが変わった。ライブやイベント以外にも行きたいところが山ほどある。
それに。
恋人もともだちもそのひとのファンとして知り合った。みんなやさしくて居心地のよいコミュニティだけれど、ちょっとだけ窮屈になった。恋人にはわたしやそのコミュニティ以外にもともだちがいて、ともだちにもまた別のともだちがいて。じゃあ、わたしには? と思った。わたしもわたしの世界がほしい。
新しく知り合いをつくることは簡単なことではない。それに、わたしは意外とひとりがすきなのだ。だから、ひとりで出かけたり、新しいことをはじめたり、もっと文章を極めたりしようと考えた。そこに必要なのはやはりお金と時間で、「ファンをつづけること」と「じぶんの世界をつくること」を天秤にかけた。それで後者を選んだ。
そうしたら、こころが軽くなった。ファンをつづけながら、じぶんの世界をつくることもできたかもしれないけれど、わたしはそんなに器用ではないから、ひとまずこれで。
7/10(水)雨
恋人の実家へ向かう。曇っている。傘を持つ。化粧がいつもより濃いと恋人に言われる。
「裏」と呼ぶ場所に車を停めた。草が茂っている。
恋人が網戸を開ける。おばあちゃんと犬のもふぃがやってくる。はじめまして。もふぃはわたしのまわりをくるくるまわる。まわるもふぃと一緒にすすむ。リビングへ。おじいちゃんに挨拶して、ソファに座るよう促され座る。ふかふか。
つめたいお茶をいただく。
名前を褒められる。まゆみさんのことを「ももこ」と名づけたかった、と聞いた。
もふぃはわたしの手をひたすらに舐めている。からだを撫でる。ふさふさ。
まゆみさんが来た。久しぶり~と手を振りあう。ケーキをいただいた。ひこにゃんの兜をモチーフにした、ももいろのケーキを選んだ。崩れないようにそそっと食べる。この店はチーズケーキが有名だと聞いた。もふぃはテーブルの下でおとなしくしている。この子は犬より人間のほうがすきなのよ。○○ちゃん(恋人)はこどものころ、おしゃべりだったのよ。おしゃべりなおばあちゃんとまゆみさん、合いの手を入れるおじいちゃん、つっこむ恋人。わたしはにこにこして話を聞く。
昼はまゆみさんと恋人とくら寿司。
寿司を食べ終えて、話を聞いているあいだ、お茶を飲む。いれる。飲む。入れる。飲む。繰り返す。何かを口に入れていると安心する。
最後に皿を流す。三回目でビッくらぽんが当たる。
まゆみさんの家へ。恋人がインターネットの設定をしているあいだ、お話しした。まゆみさんの持ちものに対する捉え方がすてきで、わたしもよい部屋を作っていこうと思った。机がない話をしたら、使っていないものをいただけることになった。
再び実家へ。
机を分解してもらっているあいだ、アイスクリームをいただき、おじいちゃんとおばあちゃんと話す。おばあちゃんの刺繍の作品を見せてもらう。もうほとんど手元にないのよ、と写真を見せてくれる。わたしの日記も教える。
帰りにロールケーキを買う。クレープ生地に生クリームと黄桃が包まれている。恋人とまだともだちだったころ、この店に連れていってくれた。また食べたいと思っていた。
SAで晩を済ませ(わたしはジュース)、高速で帰る。
からだがだるい。近ごろ、疲れやすい。体重を増やさなければならない。減らしたいと思うことは幾度もあったが、増やしたいと思ったのははじめてだ。
7/11(木)雨
喉が痛く、薬を飲んで出勤。行きも帰りも雨が止んでいた。
夕方から部屋の片づけをする。思い切って捨てる。思い切って売る。
7/12(金)雨
喉が痛む。買いものは明日に変更。
合羽を着て昼ごはんだけ買いに行く。薄皮クリームパン(二割引き)とMOWのバニラにする。あと二口というところで受付時間になり、予約の電話をかける。ぴったりにかけたので〈受付時間外です〉とアナウンスが流れる。残りの二口を食べてからもう一度かける。二十一日・昼・二人で予約をとる。
じゃがいもを茹でて、その茹でた湯でたまごを三つ茹でる。一つ割れていて、羽みたいな白身が浮いている。割れたゆでたまごをポテトサラダに入れる。残りは明日の昼に食べる。
傷ついているのはいまのわたしじゃない。むかしのわたしだ。トラウマと向き合う。ちょっと泣く。
7/13(土)くもり
かばんのなかに判子つきのボールペンがない。
かばんの中身をすべて出す。ない。職場で落としてきたのだろうか。木曜の昼まではたしかにあった。時間がないので諦めて出勤する。よくある姓で簡単にシャチハタを手に入れられる(本名は「原」ではない)。しかし、あの判子は行書体でかなり気に入っていた。しょんぼりして自転車を漕ぐ。漕いで、在処を考える。ああ、きっと家だ。かばんをいつもとちがう場所に、いつもとちがうように置いていたから、かばんから落ちたのだ。
一日に何度も判子を押す。いつも判子を押すところを手書きでサインする。手間がかかる。
帰宅してその場所を見れば、案の定、ころがっていた。落ちないようにかばんの下のほうに入れた。
7/14(日)雨のちくもり
炊飯器の内蓋を外して洗う。かなり汚れている。汚れはぬるま湯でおおかた落ちた。あとは食器用洗剤でこする。月にいっぺんは掃除しようと思ってリマインダーをいれる。
昼ごろ、不安〈強〉がやってくる。
なぜか〈このままではだめだ〉と思う。わたしはこのままおだやかに暮らしたいのに、それを許さないものがこころのなかにいる。わたしはもう闘うことをやめたのだ。人より優れている必要はない。人に認めてもらう必要もない。わたしはただおだやかに暮らしたいだけだ。でも、こころのどこかで、優秀なわたしでないと嫌われると思っている。久しぶりに頓服を飲む。眠る。
おやつにコメダでかき氷を食べた。わたしはレモンを、恋人は宇治抹茶を選ぶ。練乳とアイスクリームがのっている。キーンと痛みがやってきたのははじめだけで、あとは寒さとの戦い。お冷やおしぼりがあたたかい。食べ終えたら、口のまわりも冷たかった。